お知らせ
グーグルの口コミについて
当事務所は、グーグルビジネスに登録しておりますが、ここ数日で、あたかも正当な顧客による口コミのような外形を装い、業務とは関係なく、当事務ないし所属弁護士に対する個人的な感情に基づく嫌がらせないし腹いせ目的等の悪意ある口コミの投稿が続いております(1件は削除済み)。
グーグルビジネスの口コミについて、グーグルのポリシーに違反しているか否かは、外形でしか判断できません。
例えば、飲食店において、「まずかった」との口コミがあった場合、あくまで感想なので削除できないと判断される可能性が高いとされています。
しかし、当該投稿は、一度もその店舗に訪れたこともなく、単に嫌がらせ目的で投稿したケースや全く事実に反するのにそれらしく書かれたケースと区別がつかないのです。法律事務所でも同様です。一番逆恨みされるであろう相手方当事者とその関係者などによる悪意の口コミ等、顧客でもない者の口コミを防ぎようがありません。
また、「ここの醤油ラーメンはまずかった」とか、「税務訴訟を依頼したが、全然ダメ」等、ある程度具体的な内容が明らかにされた場合、当該店舗では醤油ラーメンの取扱いがあるか否か、あるいは、当該事務所では税務訴訟を取り扱っているか否かは、ビジネスプロフィール上の情報からある程度客観的に分かるため、グーグル側が、事実に反する口コミであると判断することは難しくありませんが、抽象的な評価や感想だけである場合は、困難です。
当事務所のすでに削除された口コミは、所属弁護士のプライベートにおける関係者からの嫌がらせでした。特に、真面目に仕事をしていれば、身に覚えがなく、また、不当な口コミの投稿者は、所属弁護士と依頼者との関係性や仕事ぶりを知らないため、口コミの内容と投稿のタイミングから、投稿者の目ぼしが付きます。
お客様においては、以上を考慮に入れ、具体性のない口コミについては、鵜呑みしないようご注意ください。これは当事務所に限らず、総じて言えることだと思います。
本来、当ホームページにおいては、形式的なお知らせしか行っておらず、ましてや、このようなお知らせをすることは本意ではありませんが、あまりに一方的で理不尽な事態が発生し、また、上記のとおり、すでに削除された口コミについては、投稿者が明らかであるため、これ以上不当な嫌がらせをしないよう警告の意味を込めて、お知らせした次第です。
思うに、お店や会社等の事業者にとって高評価の口コミは削除したいとは通常思わず、低評価の口コミは削除したいと思うのが通常です。
しかし、低評価の口コミだけを削除することは、消費者に偏った情報を与えることになるため、問題であり、いいところだけのつまみ食いは駄目です。「利益の存するところ損失もまた帰する」といったところでしょうか。
それゆえ、その意味においては、簡単に削除をさせないことは正当であると思います。また、口コミの外形だけでその内容の真正を判断することも容易ではなく、表現の自由との観点から、削除の判断が難しいことも理解できます。
しかし、上記のとおり、本当はその評価自体が不当な場合に、口コミを漫然と許すことはあまりに副作用が大きく、信用だけで一生懸命やってきた小規模の会社は死活問題です。
この点、グーグルの口コミについては、削除や損害賠償を求めて提訴した事案が複数あるようですが、私としては、そもそも、高評価の口コミも低評価の口コミも含めて、口コミ自体の投稿を許すか否かの選択肢を事業者側に与えるべきです。つまり、口コミの機能を利用するか否か、具体的には、口コミの投稿の公開・非公開の設定を付加すべきです。
それによって、不当な評価による不利益を回避できるとともに、高評価もなされないわけですから、偏った情報を与えるおそれもありません。他方で、事業者は、口コミによる利益を享受することもできないということになります。
逆に、口コミの評価によって利益を得ようと思う事業者は、正当な低評価は受忍しなければならないということになります。
それが公平ですし、一方的で理不尽な結果を防止できるのではないでしょうか。また、グーグルも、口コミの外形だけで削除すべきか否かの判断を強いられることも一定程度減るのではないでしょうか。
インターネット上のブログやSNS等において、コメントを開くか閉じるかを選択する機能は、昔から当たり前のように付いており、特に、コメント欄等における不特定または多数の者による誹謗中傷が大きく問題となっている昨今において、その機能がないことは不合理です。
以上の観点からの議論はなされているのでしょうか。仮に、削除や損害賠償請求の問題ばかりで、その議論がなされていないならば、その前段階として、十分検討に値するものだと思います。
もちろん、そのうえで口コミを公開する場合には、当該口コミが不当なものか否かの問題は結局残りますが、少なくとも、口コミによって利益を享受しようと思っておらず、口コミが不要であると考える事業者にとっては、無用な不利益を被ることは回避でき、問題は容易に解決します。
したがって、ますはその選択肢を事業者に与えるための機能を追加すべきであり、それはグーグルにとって何の不利益もなく、容易な決断であると思います。